処女膜が裂ける痛み
処女の人を襲う性交痛の大半は、処女膜が裂けることで生じますが、それだけではありません。
処女膜が関係している痛みとして、発生するものは以下の3つが挙げられます。
・正確には膜ではなくリング状
・陰茎によって傷がついて出血して傷む
・処女膜強靭症
女性側にだけで問題があると考えている方もいますが、本来であればパートナーが原因位なっています。処女膜が関係している痛みについても解説するので、参考にしてみてください。
正確には膜ではなくリング状
処女膜は実はリング状になっていて、膣口に張りついています。膣口とは、膣の入り口付近の部位のことです。「処女膜を破る」という表現があることから、金魚すくいの道具のように膣口を1枚の膜が塞いでいるイメージを持っている人もいますが、そのようなことはありません。処女膜がリング状になっているからこそ(膣口をふさいでいないからこそ)、処女の人でも生理のときに経血が膣口を通過して体外に排出されるのです。
陰茎によって傷がついて出血して痛む
初めての性交では緊張していることから膣が緊張状態にあるケースが多く、思っているよりも中が狭くなっているケースは珍しくありません。初体験は痛いものと思い込んでいるケースで男性側にも経験が少ないと、狭くなっている膣に強引に陰茎を挿入して傷がついて出血につながります。膣内部は非常にデリケートな組織になっているため、処女膜の破れなどとは関係なく傷がついてしまうと出血してしまうため注意してください。
処女膜強靭症
処女膜の大半は軟らかいのですが、硬い処女膜を持つ人がいます。また、通常の処女膜は厚さ1ミリほどですが、1ミリより厚くなっている場合もあります。処女膜がそのように頑丈な状態だと、陰茎の挿入によって女性に強い痛みや大量の出血をもたらすことがあります。これを処女膜強靭症といいます。本来であれば初めての性交時に処女膜は破けるケースがほとんどですが、処女膜強靭症では複数回の性交によって破けていくのが特徴です。
処女膜閉鎖症
処女膜が厚くなりすぎて膣口をふさいでしまうことがあり、これを処女膜閉鎖症といいます。生理がこなくて婦人科を受診したところ、処女膜閉鎖症が見つかることもあります。
処女膜以外の痛み
続いて処女膜とは関係なく、処女の人が経験することになる性交痛を紹介します。
膣分泌液不足(いわゆる濡れない状態)
膣分泌液不足では女性側が性交時に十分な性的興奮を得られていない状態で起きやすく、膣分泌液不足では挿入がスムーズにできません。処女の場合は緊張感や怖いと感じる不安などで濡れにくいことから、十分に濡らしてから挿入をするのが大切です。
摩擦による痛み
性交時には膣内で陰茎が膣壁に擦れる動作を繰り返すため、十分に濡れていない状態では摩擦が大きくなって痛みを伴います。摩擦は十分に濡らすことによって抑えられるので、パートナーと相談しながら性交を進めていけば解決が可能です。痛いと感じたら濡らしてから再開するようにしましょう。
膣の伸縮性のなさによる痛み
膣内に異物を入れて動かす経験が処女の方は少なく、異物が出し入れされることによって発生する伸縮に慣れていないといえるでしょう。伸縮時には慣れていないと痛みが発生するのに加えて、緊張をしていると膣がこわばっているのでさらに伸縮性が失われてしまいます。伸縮性を取り戻すためには、リラックスして全身の力を抜くことが大切です。
ゴムアレルギー
ゴムアレルギーがある女性の場合はアレルギー反応によって、性交時に痛みやかゆみが生まれてしまう可能性が高いです。ゴムアレルギーの場合、ラテックス製以外のコンドームの使用をおすすめします。ゴムアレルギーに関わらず使用していると、体調不良などにもつながる可能性もあるので注意しましょう。
パートナーの間違った性交
男性によっては激しく動けば女性が気持ちよくなると思っているケースや、以前のパートナーとの性交内容で性交をするパターンもあります。間違った性交では痛みが発生しやすいので、痛い場合にはパートナーにしっかりと伝えるようにしましょう。自分が初めてで間違っていると思わずに相談することが大切です。
痛みの特徴
性交が終われば痛みもなくなりますが、次にまた性交するときに痛みが走ることも。適切な性交を何回しても痛みが治まらない場合は病気が潜んでいるかもしれません。性交痛の痛みの種類を知っておいてください。原因についても把握しておけば対策も立てやすくなるので、痛いと感じる原因も把握しておくことが大切です。
奥が痛い場合は浅く挿入してもらう
ポルチオ性感帯は快感を生みますが、経験が浅いころは痛みの原因になることも。浅く挿入してもらい、陰茎がポルチオ性感帯に触れないようにしましょう。無理やり奥まで入れずに最初は浅い部分で慣らすようにしてください。また、奥まで入れるのが怖いなら怖いとパートナーに伝えておきましょう。
高齢処女の場合、痛みが激しいかも
膣の伸縮性が失われると痛みが増えることも。40歳以上の処女の人のことを高齢処女と呼ぶことがあります。高齢処女の場合はいきなり挿入することは避けて、ゆっくりと慣らして十分に濡れてから挿入などをおこなってください。痛いと感じた段階で対策を取ることが大切です。
吐き気がするほどなら感染症かも
吐き気がするほどの痛みなら感染症の可能性もあるため、自分だけで判断せずに産婦人科に相談してください。初期段階であれば比較的簡単に治療できますが、進行していると治療までに時間がかかるかもしれません。
性交痛への対処法
性交痛への対処方法について、5つ紹介します。
しばらくは挿入以外の方法でオーガズムを得る
パートナーに少し膣を触られただけで痛みが走る場合、しばらく陰茎の挿入は見送ったほうがよいでしょう。それでも好きな人と体を触れ合わせたいと思います。その場合は、胸や手足、口、バイブレーターなどで快感を与えあうことが推奨されます。挿入だけでオーガズムを得なければいけないわけではありません。
潤滑ジェルの利用
緊張で膣分泌液の出が悪い場合、潤滑ジェルを使いましょう。潤滑ジェルは性交や挿入をスムーズにしてくれる効果があります。実際に性交を何度もしている人でも積極的に潤滑ジェル使用している人も多いです。
体調を万全にして臨む
疲労、水分不足、緊張、不安、ストレスが痛みを増やすことがあるため、初めての性交の場合は体調を万全にしておくようにしましょう。自分自身で思っているよりも体調は性交に大きく関係しています。
前戯に時間をかけてもらう
膣以外の体の部位を触ってもらうことで、快感が得られます。ただし男性によっては前戯を雑におこなう可能性もあるため、先に前戯に時間をかけて欲しいと伝えておくことが大切です。
マスターベーションが推奨されることも
性交時には緊張感などから痛みを感じてしまうケースも多いことから、ラブグッズなどを用いてマスタベーションをして慣らすことも大切です。マスタベーションをしておけば膣壁などが伸縮に慣れていて痛みが軽減される可能性があります。
治療
処女膜に異常が認められる場合、婦人科クリニックなどで処女膜を切って広げる手術があります。どうしても男性器の挿入が難しい場合などには産婦人科に相談して、処女膜に異常がないかどうかを確認してもらうことが大切です。
まとめ
処女の人の性交痛は一時的なものと考えて間違いありません。ただし、痛みが激しい人も存在し「乗り越えられない」「性交なんて無理」と感じてしまう女性がいるのも事実です。対策方法は、多くあるので諦めないようにしましょう。