はじめに

性交の時に「性交時に痛くて入らない」「性交中痛くてつらい」「性交時に出血してしまう」そんなことはありませんか?
その症状の原因は様々あります。ですが、今回はその中でも「処女膜強靭症」についてその原因、治療法などを詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んでくださいね。

処女膜強靭症について

痛くて入らない!一体なぜ?

性交するときに痛くて入らないことがある方は多く、当院でもたくさんのご相談を受けています。 性交時に激痛が走る……そんな症状が出たら心配ですが、なぜそのようなことが起きるのでしょうか?

もしかするとその原因は「処女膜強靭症」かもしれません!

処女膜強靭症とは?

まず「処女膜」とは膣口の近くにある、ヒダ状の膜のことです。
厚さは様々で膣をふさぐように膜を張っているのではなく、中央には小さな穴があります。処女膜は硬さ、厚みなど個人差があります。

処女膜位置

処女膜は激しい運動や乗馬などで処女膜が破れてしまうケースは多々あると言われているように本来は柔らかいものですが、生まれつき処女膜が厚く固い人もおり、性交の時に痛くて入らない、といったケースがあります。その症状が、処女膜強靭症と呼ばれるものです。

処女膜強靭症の症状とは?

処女膜強靭症には次のような症状が見られます。

処女膜強靭症と疑われる症状

  • 自分もしくはパートナーの指が入らない
  • 何度か挿入をしてみたが痛くて入らなかった
  • 性交のたびに血が出てしまう
  • 十分濡れているのに挿入できない
  • 途中まで入っているが奥まで入らない
  • 膣が閉じている感じがする
  • パートナーのサイズが変わったら痛みがずっと続く

といった症状が多く、性交時に痛い、痛くて入らない……と思ったらそれは処女膜強靭症の可能性があります。
しかし膣口が狭いということも考えられますので、医師による的確な受診が必要です。

またこの疾患は性交疼痛症の原因の一種です。月経などでも痛みを伴うことはなく、普段は自覚症状がありません。
性交をしたときに初めて気が付く、というケースが多いのです。
程度にも差があり、まったく挿入ができない人もいれば、挿入自体はできるが痛み・出血を伴う人などがいます。
中には無理に挿入しようとして出血が多くなり、救急搬送されることもあるので、思い当たる方は早めにクリニックにて受診することをおすすめします。

まずはクリニックへ

処女膜強靭症はデリケートな場所のため、なかなか人にも相談しにくく、お一人で悩みを抱え込んでしまうことも多い症状です。
特に性交経験のない若い女性に多く見られる症状ですので、なおさら相談しにくいということがありますが、処女膜強靭症は比較的簡単な手術で解消することができます。
上記の症状に思い当たる場合はお気軽にご相談ください。まずは処女膜強靭症なのかほかの症状なのかを診断してから自分に合った治療方法を探しましょう。

処女膜強靭症の原因

処女膜強靭症は、膣が厚く、リング状に硬くなってしまっていることが原因です。
これは先天的なものが多く、膣口部が狭くなり、伸びにくくなっている可能性があります。
もしかしたら……と思っても大丈夫です。早めにクリニックで受診をしましょう。

処女膜強靭症の治療法

処女膜切開手術

処女膜切開手術は文字通り、処女膜を切開し、縫合する手術になります。突っ張っている処女膜靭帯を解除することで痛みの改善が見られます。
局部麻酔だけでは麻酔の際の痛みで筋肉が緊張してしまうため、静脈麻酔によりリラックスした状態で痛みを全く感じることなく治療が可能です。

処女膜切開

クリニックによっては局所麻酔だけだったり、笑気麻酔を使用するところもありますので事前に確認すると良いでしょう。
エクスパレル麻酔という72時間ほど効果のある麻酔を使用してくれる病院もあり、当院でも使用していますので痛みが気になっている方は安心できるかと思います。

手術の詳細とダウンタイム


手術時間15分から30分ほど。日帰りでの治療が可能です。
入浴についてシャワーで浴は当日から可能。切開の箇所、処女膜強靭症の程度により3~7日経過するとお風呂での入浴も可能です。
予想される副作用1週間程度腫れによる違和感がある場合もあります。痛みは個人差がありますが2,3日違和感がある程度です。処女膜強靭症が重度の方は7日間くらい排便時にいきむと痛みを感じる場合があります。
通院期間術後1か月目程度で検診のため来院して頂きます。

1か月検診の際に糸の残りがあれば抜糸を行います。
また手術後も患部に硬さがあったり筋肉の緊張により痛みを伴うことがありますので、必要に応じてマッサージの指導をすることがあります。

自分でケアする方法は?

リューブゼリー・マッサージ

自身で実践できることとして、生理の量が多い時にタンポンを使用してみたり、リューブゼリーなどのデリケートゾーン限定の潤滑ゼリーを使って性交を行うことも試してみるといいかもしれません。
また、それでも難しい場合は局部麻酔用のジェルを塗って性交を行うといった薬を使う治療法を案内しているサイトもあるようですが、実際には表面の感覚を鈍らせるだけで処女膜靭帯の痛みは取れず解決しないことが多くあります。
まずは入浴の際など自身の指で穴の位置、どのくらいまで挿入可能か確認してみる、マッサージをしてみるということが大切です。

ダイレーター

その上でダイレーターという専用の器具を使って膣口を広げていくという治療方法もあります。
自身で挿入して膣口、膣の中を広げ、なじませる道具ですが、ダイレーターは自宅にて自分でできるのが大きなメリットとして挙げられます。 しかし効果が出るまで時間がかかる、という点がデメリットです。

それでも痛い、出血してしまう、性交のたびに薬を使うのが難しいという方は処女膜切開手術をおすすめします。

当院での治療法

「自分に合った治療方法があるのか心配」「担当医が変わってしまうのが不安」、そんなお悩みを解決いたします。
当院ではヒアリングから手術、アフターケアまですべて院長が担当します。担当医が変わるなどの心配はありません。
また、丁寧なヒアリングで、お一人お一人に合った治療方法をご提示します。是非カウンセリングにいらしてみてください。