はじめに

性交の時に「性交時に痛くて入らない」「性交中痛くてつらい」「性交時に出血してしまう」こんなことって私だけ?そう思っていることはありませんか? 実はこれ、多くの人抱えているお悩みなんです。その症状の原因は3つありますが、今回はその中でも膣内がひりひりする痛みについて原因、治療法などを解説していきます。

ひりひりした痛み、入るけど痛い……

性交時のひりひり感、入るけれど痛くてつらい…… そのような方は、膣内の膣粘膜が弱くなっているか、濡れにくく乾燥してしまっているのかもしれません。

どうして濡れにくく、また粘膜が弱くなってしまうのでしょうか。 次では具体的な症状について解説していきます。

膣内の乾燥によって引き起こされる症状は?

当院にいらっしゃる方はこのようなお悩みを抱えている方が多いです。

膣の乾燥が原因と思われる症状

  • 膣の入り口付近が痛い
  • ひりひりする痛みがある
  • 挿入できるけど性交時に痛くてつらい
  • あまり膣内部が濡れない
  • 途行為が長くなると苦痛である
  • 昔は出来たのに久しぶりにしたら痛くて出来ない

このような症状の方は膣の乾燥が原因かもしれません。 挿入時の潤い不足が、この症状を引き起こしている可能性が高く、前戯をしっかりやっても濡れず性交時にヒリヒリとした感じの痛みを感じることがあります。

「濡れる」メカニズムとは?

濡れるとは、外部からの刺激などで性的興奮が高まったときに分泌される潤滑液のことです。 下半身に血液が流れ込み、腟壁周辺に張り巡らされている毛細血管が拡張して、血管壁を押し開くことで、分泌されます。

ただし、分泌量には個人差があり、濡れやすい体質の人もいれば、濡れにくい体質の人もいます。 これは良い・悪いではなく個人の体質によるものなので、濡れないからといってネガティブになる必要はありませんが、濡れないとひりひりとした痛みを伴ってしまい、性行為が億劫になってしまう可能性が高くなります。

性交痛が起こってしまう原因は?

ホルモンバランスの乱れ

加齢によるホルモンバランスの乱れや生理不順、ピルの長期服用などにより膣内の粘膜が弱ってしまい、膣の乾燥が引き起こされてしまいます。 また、体質的に濡れにくい方もいるため痛みを感じやすくなります。

また、閉経後に膣の乾燥症状が出る場合が多く、これは膣からのエストロゲンという女性ホルモンが減ることで、膣が乾燥してしまうといった症状を引き起こしているのです。 このエストロゲンは膣の弾力や潤いを与えてくれる分泌物で、年齢とともに分泌量が減っていってしまいます。

更年期の方に多い症状になっていますが、更年期の方だけが発症するのではなく、産後の方や若い方でも膣の乾燥に悩んでいる方もいらっしゃいます。

セカンドバージン

以前は性行為が問題なく可能だったのに、久しぶりにしたら痛くて入らなかったという所謂「セカンドバージン」という例も多く見られます。 こちらも加齢による膣内コラーゲンの減少や、周囲の筋肉の硬化などが考えられます。

デーデルライン桿菌

膣内の善玉菌とも呼ばれているデーデルライン桿菌の量が減少していることも考えられます。 この菌は、膣を弱酸性に抑える役割をしており、カンジダ菌などの菌の増殖を防ぐとともに外部から入ってくる雑菌を繁殖させないようにしています。

このデーデルライン桿菌が減ることで膣内環境が乱れ、膣がひりひりした痛みなどを伴う恐れがあります。 性交時の膣のひりひりした痛みを感じたときや膣の潤いが減ってきたなと思ったら、放置せずクリニックで受診しましょう。

治療方法

治療方法は主に2つあります。

リューブゼリー

もっとも簡単な方法はリューブゼリーなどの潤滑油を使ってみることです。 リューブゼリーは性交痛を緩和してくれる潤滑液です。性行為の前に塗ることで自然な濡れを再現することができます。

前戯に時間をかけても濡れなかったり、挿入時にひりひりした感じを持ったりする人は、この方法が一番手軽な方法です。

レーザー治療

リューブゼリーを使っても改善しない、潤滑液なしでも濡れるようにしたい、そんな方にはレーザー治療をおすすめしています。 ずっとリューブゼリーを使い続けるのも大変ですので、根本的な解決をしたいという方に向いている治療法です。

当院ではインティマレーザーという手術を伴わない治療をおすすめしています。 手術という言葉に不安を感じる方や、痛くない方法でお悩みを解決したい方は、この治療方法が合っているかもしれません。 メスを使った手術ではないので体に負担がかからないということも優れた点です。

膣レーザーの効果は?

性交痛モードで膣の若返り

インティマレーザーはVタイトニング治療という膣のゆるみを引き締めるためや尿漏れ治療のレーザーとして広く知られていますが、同じインティマレーザーの「レノバレイズ」という性交痛モードで膣内にレーザー照射をすることで性交痛の緩和ができるということが期待できます。

インティマレーザーのエルビウムヤグレーザーに加えて、深くまで浸透するNd:YAGレーザーの温熱作用により痛みの緩和される効果があります。 しかしこの治療は膣粘膜の状態を詳しく診察の上で温度設定を行い、正しい治療をおこなっていく必要がありますので専門機関での治療をお勧めしています。

施術詳細とダウンタイム

 

手術時間 10分~15分ほどで終了。日帰りでの治療が可能です。
入浴について 治療当日はシャワーをしてもらいますが、翌日から入浴可能です。
術中 痛みを感じることはほとんどなく、安心して治療を受けられます。
術後 施術後3日間は膣内のみ安静にして頂きます。

当院での治療法

「自分に合った治療方法があるのか心配」「担当医が変わってしまうのが不安」、そんなお悩みを解決いたします。

当院ではヒアリングから手術、アフターケアまですべて院長が担当します。担当医が変わるなどの心配はありません。 また、丁寧なヒアリングで、お一人お一人に合った治療方法をご提示します。ぜひクリニックにお越しください。