不安と楽しみの中、迎えた初めてのセックス。挿入した時の痛みの影響で、途中で中断してしまった人もいるのではないでしょうか。または、久しぶりのセックスで感じたことのない性交痛に驚き、不安を抱いた方もいるかもしれません。
セックスで挿入された時に感じる痛みの原因はさまざまであり、自分で特定するのは困難です。しかし、場合によっては早期の治療が必要なケースや、放置していても改善されない場合があります。
そこで本記事では、
・セックスで挿入した際に、入口付近で感じる痛みの原因5つ
・セックスで挿入した際に、奥の方で感じる痛みの原因3つ
・セックスで挿入した際の痛みを緩和・治療する方法
などを解説します。
セックスで挿入した際に感じる痛みを改善したい女性は参考にしてみてください。
セックスで挿入した際に、入口付近で感じる痛みの原因5つ
セカンドバージンで生じる痛みの原因が、萎縮性膣炎かどうかセルフチェックしてみましょう。
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- ・膣口の狭さ
- ・処女膜強靭症
- ・萎縮性膣炎
- ・ラテックスアレルギー
- ・うるおい不足
それぞれ詳しく解説していきます。
膣の入口が狭い
膣口の大きさは個人によって異なります。膣の入り口が狭い場合、以下のような症状があります。
- ・セックスの際に痛みがあって挿入できない
- ・挿入しようとしてもなかなか入らない
- ・性的興奮を得て濡れているのに入らない
このような症状がある場合は生まれつき膣の入り口が狭い可能性があります。無理やり挿入しようとすると、痛みが増加する可能性があるため注意が必要です。
処女膜強靭症
処女膜強靭症は、処女膜が通常より厚い状態を指します。本来であれば、男性器を挿入された際に破れる処女膜ですが、処女膜強靭症の場合は膜が肥厚しているため破れません。そのため痛みが発生し、場合によっては出血を伴います。
上記で紹介した膣の入り口が狭い場合と似た症状があるため、鑑別するには専門の医療機関で診察を受ける必要があります。
萎縮性膣炎
萎縮性膣炎は更年期前後に生じる女性特有の疾患です。女性ホルモンであるエストロゲン分泌量の減少が要因とされ、膣内の乾燥やおりものの増加、特有の臭いなどが主な症状です。膣が乾燥することで男性器を挿入した際に摩擦が生まれ、入口付近の痛みを生じます。
ラテックスアレルギー
ラテックスアレルギーはゴムに含まれる天然ゴム成分に反応するアレルギー症状です。コンドームには天然ゴムが用いられているため、挿入した際に痛みやかゆみを生じるのが特徴です。
場合によっては重篤なアレルギー反応を示すため、気になる方は医療機関でアレルギー検査を受けておくようにしましょう。
うるおい不足
膣の入り口付近で感じる痛みの原因として、膣のうるおい不足も要因の1つです。膣のうるおいが不足すると、男性器を挿入した際に摩擦抵抗が生じ、性交痛を感じやすくなります。
たとえば性的興奮を得られないためにうるおいが不足する場合や、女性ホルモン低下による膣分泌液量の減少が考えられます。
うるおい不足になる原因は様々であるため、原因を特定されたい場合は専門の医療機関に相談してみるとよいでしょう。
セックスで挿入した際に、奥の方で感じる痛みの原因3つ
奥の方で感じる痛みの原因は、以下の3つが考えられます。
- ・子宮内膜症
- ・子宮筋腫
- ・性器クラミジア感染症
それぞれ詳しく解説していきます。
子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所にできる病気です。原因は明らかになっていませんが、月経が深く関わっているとされており、月経のたびに悪化するのが特徴です。
子宮内膜症の症状として痛みがあり、病状が進行すると奥の方で感じる性交痛や排便痛が生じます。
子宮筋腫
子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)は、子宮の筋肉層に良性の腫瘍ができる疾患です。ほとんどの場合、悪性腫瘍ではありません。女性の約20〜30%が生涯のうちに1度は子宮筋腫を発症するとされています。また、40歳以上の女性に多くみられるのが特徴です。
症状としては月経異常や頻尿、性交痛が挙げられます。男性器を挿入した際に、奥の方で痛みを感じる場合は子宮筋腫の可能性も否定できません。
性器クラミジア感染症
性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされる性感染症(STD)の一つです。日本を含む多くの国で一般的な性感染症の1つであり、特に若い方や不特定多数の相手とセックスをする方に多くみられます。
主な症状は排尿時痛や不正出血、性交痛です。多くの場合、無症状であるため、感染していることに気づきにくいのが特徴です。
精神面が影響しているケースもある
性交痛は精神面が影響しているケースもあります。過去の性的なトラウマなどがあると、セックスに対する恐怖や緊張が痛みを生む可能性があります。
また性に対するネガティブな教育や情報の植え付けが、無意識的に性に対して拒否反応を示す場合があり、性交痛の原因となるのです。
パートナーとの相性にも注意が必要
パートナーとの相性が、性交痛の原因になる場合もあります。パートナーとのセックスがうまくいかず性的興奮が得られないと、うるおいが不足する可能性があるからです。
またセックスに対してネガティブなイメージがある場合には、パートナーに理解してもらい、セックスの方法を工夫してもらう必要もあるでしょう。
パートナーとの相性は、挿入した際の痛みの有無に関わるため、可能であればセックスの方法について話し合っておくとよいかもしれません。
セックスで挿入した際の痛みを緩和・治療する方法4つ
セックスで挿入した際の痛みを緩和および治療する方法を4つ紹介します。
- ・膣口の狭さ、処女膜強靭症に対する治療
- ・萎縮性膣炎に対する治療
- ・精神面が影響している場合の治療
- ・パートナーとの接し方
それぞれ詳しく解説していきます。
膣口の狭さを改善または処女膜強靭症を治療する
膣の狭さを改善するためには、膣入口拡張手術をおこないます。また処女膜強靭症には、処女膜切開術が適用されます。どちらが適用されるかは、事前のカウンセリングと診察により判断される場合が多いでしょう。
当院でも膣入口拡張手術と処女膜強靭症ともに対応しています。どちらの手術も体への負担が少ない方法で施術されるため、施術を受けたその日にお帰りいただけます。
▼膣入口拡張手術の詳細はこちら
→膣口の狭さについて
▼処女膜強靭症の詳細はこちら
→処女膜強靭症について
萎縮性膣炎をレーザーを用いて治療する
女性ホルモンの分泌量減少が原因で生じる萎縮性膣炎の治療には、レーザー治療が有効です。当院でもインティマレーザーなど最新のレーザー機器を導入しているため、効果の高い治療が受けられます。
また萎縮性膣炎によるうるおい不足を補うために、性交痛を緩和するアイテムである潤滑ゼリーの使用も効果的です。
精神面が影響している場合には専門医のカウンセリングを受ける
精神面が性交痛に影響している場合で多いのが、自分では気づいていないケースです。過去に経験した性的なトラウマが潜在的に頭の中に残っているかどうかや、セックス時の緊張の度合いは自分では分からない場合があるからです。
セックスに対して少しでも恐怖や不安のある方は1度、専門医のカウンセリングを受けるのをおすすめします。
パートナーと話し合ってセックスの方法を工夫してみる
パートナーとのセックスがうまくいかず、うるおいが不足する場合には、前戯の方法やお互いが好きな体位などを話し合って工夫するようにしましょう。
挿入した際に痛みがあるのを打ち明けるのは、勇気が必要かもしれません。しかし、痛みをがまんしてセックスを続けるのは身体的にも精神的にもつらいものがあります。挿入した際の痛みを解消するために、パートナーに正直に打ち明け、一緒に痛みを解消していく姿勢が望ましいでしょう。
まとめ
セックスで挿入した際に感じる痛みには、膣の入口付近と膣の奥の方の2つのパターンがあります。そして痛みの場所によって疑われる要因が異なります。
なかには婦人系の疾患が影響している可能性があるため、挿入時の痛みを感じた時点で専門の医療機関を受診するようにしましょう。
また精神面の影響により性交痛が生じている場合には、ひとりで抱え込まずにパートナーや友人に相談してみてはいかがでしょうか。知人に相談するのが難しい場合には、専門の医師によるカウンセリングを受けるのもよいでしょう。
当院では、女性院長がカウンセリングから治療まで責任を持って対応しています。性交痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。