初めて性行為をする処女や慣れていない女性は、男性器を挿入する際に痛みを感じて、性行為が続けられないケースがあります。

パートナーに嫌われるのではないかと不安になり、痛みを我慢して性行為を続ける方もいますが、婦人科系の病気や炎症が原因である場合、痛みを我慢するのは危険です。

この記事では、痛くて入らない時の原因や改善方法について解説していきますので「どうして自分だけ痛みを感じるの?」とお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

 

1. 挿入時に痛くて入らない場合の原因

挿入時に痛くて入らないのは、以下のことが原因として考えられます。

・治療が必要な状態の処女膜

・緊張による筋肉硬化

・体調不良や不安による潤い不足

・婦人科系の病気

・性感染症などが原因の炎症

それぞれの原因について詳しく解説していきますので、自分に当てはまるものがあるかチェックしてみてください。

治療が必要な状態の処女膜

処女膜が通常よりも硬い処女膜強靭症や開いているはずの処女膜が閉鎖されている処女膜閉鎖症である場合、挿入時に出血したり強い痛みを伴ったりします。

どちらも体の特性の問題であって、性行為に対する不安や緊張が引き起こすものではありません。

自覚するような不安・緊張がなく、体調も万全であり、潤い不足などを解消しても痛みがあるのなら、婦人科クリニックでの治療や処置が必要です。

 

緊張による筋肉硬化

性行為に対する緊張により、性器周辺の筋肉が硬化して痛みを生じている可能性があります。

前戯の時点で膣がほぐれきれていないことが原因として考えられるため、性行為をした経験がない処女である場合は、前戯でしっかり緊張を解いてもらいましょう。

また、どういう点に不安を抱いているのかを考え、相手と話し合うなどの工夫が必要です。

 

体調不良や不安による潤い不足

痛みなく挿入ができるのは、潤いが十分にあるからです。

潤いが不足している場合、膣と男性器がこすれて痛みが生じるため、さらに不安が強まってしまい悪循環になる恐れがあります。

体調不良が原因であれば、体調が回復すると問題なく挿入ができる可能性が高いです。

体調やメンタル面で不安がある場合は「ちょっと今日はごめんね」と、無理に性行為はせずに、心身ともに整った状態となってから行いましょう。

婦人科系の病気

挿入の時に奥で痛みを感じるなら、子宮筋腫や子宮内膜症である可能性があります。

子宮筋腫や子宮内膜症である場合、性交痛の他に、生理痛があったり、月経時の出血量が多かったりと異常が出ている可能性が高いです。

心当たりがある場合は早めの受診をすることで、病気の治療や処置が行えます。

放置すれば不妊の原因にもなる恐れがあるため、我慢せずに婦人科クリニックで相談してみましょう。

性感染症などが原因の炎症

性感染症などが原因で膣や性器に炎症が起きているのが原因の場合があります。

性行為をしている時以外に、痛みや出血はないでしょうか。

日常的に痛みや出血、違和感や不調を感じているのなら、性感染症である恐れがあるため、早めに婦人科クリニックを受診してください。

 

2.挿入時に痛くて入らない場合の改善方法

このまま挿入は続けられないというほどの痛みがある場合は、以下の方法を実践することで改善できる可能性があります。

 

婦人科クリニックで治療をする

病気や炎症が痛みの原因であれば、婦人科クリニックを受診し、治療をすれば改善が見込めます。

処女膜強靭症や処女膜閉鎖症など、挿入が難しいような体の特性をもっている場合は、治療や処置が必要です。

また、子宮内膜症などの婦人科系の病気である場合は、受診が遅れると重症になる恐れもあるので、生理痛がひどいなど他の症状もある場合は早めに受診しましょう。

 

潤い不足を解消するアイテムを使う

ローション付きのコンドームやジェルなど、潤い不足を解消するアイテムが販売されています。

炎症や病気など体に異常があるわけではなく、性行為に対する不安や緊張が原因で痛みを感じてしまう場合に有効です。

女性側が気軽に使える見た目が可愛いグッズも販売されているので、自分が取り入れやすいものを使用してみましょう。

体調を整える

女性ホルモンのバランスが崩れていたり、体調が悪かったりすると、潤いが不足して痛みの原因となります。

また、体調が悪いと、性行為にポジティブな感情を抱けず、性行為自体にストレスを感じてしまうかもしれません。

「ちょっといつもと感覚が違う」など、体調が悪い時は無理に性行為をせず、体調を整えた後で行うようにしましょう。

前戯の時間を増やす

痛みを感じる理由が潤い不足である場合、前戯の時間が不足していることが原因として考えられるので、前戯の時間を増やしてもらいましょう。

リラックスできるように照明の明るさを落とすなどの雰囲気づくりをおこない、痛みを感じた時よりも意識的に前戯の時間を長くとってもらうようにすることが大切です。

相手と話し合う時間をつくる

不安や緊張を和らげるためには、相手と話し合う時間をつくり、気持ちや状況を共有する必要があります。

「相手がこう思っているのではないか」と不確実なものを抱えたままでは、リラックスできません。

可能な範囲で話し合いをもち、リラックスした状態でのぞめるようにしましょう。

また、体位によっては痛みを感じない可能性もあるので、体位についても話し合ってみるのがおすすめです。

後ろから挿入する形をとると、挿入が浅くなるので、問題なく挿入を続けられる可能性があります。

3. 痛みを我慢して無理に挿入を続けるのはNG

パートナーに嫌われることに対して不安や恐怖を抱えていると、痛みを我慢してでも挿入を続けたくなりますが、痛みを我慢し続けるのは危険です。

膣の炎症が起きる

女性ホルモンの分泌の減少で膣粘膜が萎縮している場合や潤い不足のまま挿入を続けると、膣の膜と男性器が擦れて炎症が起きてしまう恐れがあります。

すでに炎症が起きていたのなら、さらに悪化させることになり、炎症が起きた部分から細菌感染症などの疾患にかかる可能性もあるため、注意しなければなりません。

自分の体を守るためにも、炎症が重症化しないうちの受診が必要です。

婦人科系の病気の進行

痛みを感じる原因が、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系の病気であった場合、無理に挿入を続け、放置していると進行してしまう恐れがあります。

不妊症や命に関わる病気に繋がる可能性もあるため、早めに受診して治療を受けましょう。

不安や緊張が高まる

「性行為=痛い」という印象が強くなると、不安や緊張が高まり潤い不足を引き起こして、さらに痛みが増す恐れがあります。

強く印象づいてしまう前に、この記事でお伝えしてきた改善方法を試し、婦人科クリニックを受診するのがおすすめです。

自分で改善できない挿入時の痛みは婦人科クリニックへ

性行為の挿入の際に痛くて入らない場合は、緊張や体調不良による潤い不足の他に、婦人科系の病気や性感染症の炎症が原因となるケースがあります。

体調を整えたり、潤い不足を解消するローション付きのコンドームなどのグッズを使ったりすることで、改善できることもありますが、病気や炎症が原因である場合は自分で改善するのは難しいです。

挿入時の痛みを我慢して性行為を続けていると、膣の炎症が起きる、婦人科系の病気が進行するなど、体がダメージを受けます。

炎症や病気がなくとも、挿入時の痛みがトラウマとなり「性行為=痛いもの」として記憶されて、緊張や不安が高まり、さらに痛みが増すかもしれません。

「自分では改善できなそうだな」と感じたら、婦人科クリニックへ行き、専門家である医師に相談してみましょう。同じように悩まれている方はいますので、安心してご来院ください。