「出産前は痛みなんかなかったのに、なんでこんなに痛いの?」
以前は問題なく挿入できていたのに、出産後に性行為をしようとしたら痛みを感じると「私だけなのかな?」と不安になってしまいます。
パートナーに話していいのかわからず、1人で抱え込んでしまう方もいるかもしれません。
そこで、この記事では、出産後の性行時に痛くて入らない原因や改善方法について解説していきます。
中には婦人科クリニックを受診すべき痛みもあるので、1人で抱え込まず、改善できないようなら医師に相談しましょう。
1. 出産後の性交時に痛くて入らない原因
出産後の性行時に痛くて入らないのは、以下の原因が考えられます。
・ホルモンバランスの変化
・傷が治りきっていない
・性欲低下によるストレス
・出産時の骨盤形状の変化
・育児疲れによる潤い不足
それぞれの原因について詳しく解説していくので「前は問題なく入ったのに」と悩んでいる方は、当てはまるものがないかチェックしてみてください。
ホルモンバランスの変化
妊娠から出産にかけて、女性ホルモンのバランスが変化して、潤いを担当しているエストロゲンが減少していることで、痛みを感じている可能性があります。
エストロゲンが減少すると潤いが不足し、挿入がスムーズにいかず、男性器と女性器が乾いた状態で擦れてしまうのです。
潤い不足のまま挿入を続けると、膣を傷つけて出血する恐れもあるため、中断する必要があります。
傷が治りきっていない
出産時の会陰や切開の傷は、産後1ヶ月程度で治るのが一般的ですが、治癒までの期間には個人差があり、1ヶ月ではまだ痛みを感じる方もいます。
検診の際に状態をチェックしてもらい、自分の傷が今どういう状態なのかを医師に聞いておきましょう。
性欲低下によるストレス
妊娠から出産にかけて女性ホルモンのバランスが変化することで、性欲が低下します。
性欲が低下すると、性行為にプラスの感情を抱けなくなり、大きなストレスを抱えているのかもしれません。
出産前と同じようにはいかないことは特別なものではないので、不安を1人で抱え込まないようにしましょう。
出産時の骨盤形状の変化
出産に向けて骨盤の形状が徐々に変わっていくため、出産後の痛みの原因は骨盤の形状の変化である可能性があります。
出産後、出産前の状態に戻っていくので、一般的には期間をおけば問題ないケースが多いです。
育児疲れによる潤い不足
出産後は体の変化だけでなく、育児の疲れやストレスを抱えていることが原因で潤い不足となっているかもしれません。
疲れている状態では性行為にポジティブになれないでしょう。
パートナーと話し合い「疲れている」など意思を伝えることが大切です。
2.出産後の性交時に痛くて入らない時の改善方法
出産後の性交時に痛くて入らない時は、以下の改善方法を試してみてください。
・ホルモンバランスが戻るまで待つ
・育児の負担を話し合う
・痛みが長引く場合は医師へ相談する
・潤い不足を補うアイテムを使う
・性欲が戻るまで無理をしない
ホルモンバランスが戻るまで待つ
出産後、徐々にホルモンバランスが戻っていくので、出産前の状態に戻るまで待つことで改善できる見込みがあります。
育児のストレスも加わると、余計にホルモンバランスが崩れやすいため、十分に休養をとり休むことを心がけましょう。
女性ホルモンの分泌が足りていないまま挿入をしても、潤い不足で痛みを生じてしまいます。
性行為をしても痛みやストレスを抱えることがない状態になるまで、しっかり休養しましょう。
育児の負担を話し合う
育児の負担が軽減されれば、疲れによる潤い不足が解消され、痛みを感じることなく挿入ができるようになる見込みがあります。
出産後は、自分の体のダメージだけでなく、育児の負担も加わっているため、パートナーと負担を話し合うことが大切です。
片方だけに負担がかかっていないか、どういう思いを抱えているのかを、普段から話し合うようにしましょう。
痛みが長引く場合は医師へ相談する
出産後、1ヶ月以上痛みが長引く場合は医師に相談してみましょう。
骨盤や膣内、ホルモンバランスなどに問題が起きている恐れもあります。
定期検診で体の状態のチェックはしますが、性交痛など特別なタイミングで痛みを感じるなどの不調がある場合は、1人で抱え込まずに医師に相談してみてください。
「出産の後だから仕方ないか」と放置しすぎると、重症化する可能性もあるため、早めの受診がおすすめです。
潤い不足を補うアイテムを使う
心身ともに健康で、ホルモンバランスにも問題がない場合は、潤い不足を補うローション付きのコンドームやジェルなどを使用してみましょう。
アイテムを使っているうちに、性行為に対してポジティブな感情が生まれ、ホルモンの働きが正常になる可能性もあります。
見た目がコスメのような可愛い商品もあり、女性が使いやすいものも販売されているので、使いやすいアイテムを選んで使用してみてください。
性欲が戻るまで無理をしない
性欲が戻ってくるまで、しっかり体を休養させ、無理をしないことが改善に向かっていきます。
無理をすると、さらにストレスを抱えることになり、パートナーとの関係性にまで影響しかねません。
良好な関係性を維持し、共に育児に励むためにも、性行為に関してお互いの不満がたまらないように、無理はしないことが大切です。
3. 出産後の性行為の注意点
前項でお伝えしてきたような改善方法を実践すれば、問題なく挿入ができるようになるケースが多いですが、出産後は人生の中でも特別な期間となるので、以下の点に注意しましょう。
男女で認識の違いが生まれる
出産をした側と見守っていた側では、認識の違いが生まれることがあります。
「もう落ち着いたし、そろそろいいよね?」と男性が思っていても、女性はまだ体が戻っていない状態かもしれません。
また、女性側が「もう大丈夫」という認識でいた場合でも、出産時の傷や骨盤の形状の変化が治癒しておらず、痛みを生じる可能性もあります。
違和感を感じたら、無理せず中断することが、自分の体にとって大切です。
男女間で認識に違いがある前提でよく話し合い、育児や夫婦の関係性が良好な状態を維持できるように、お互い歩み寄って気遣いましょう。
産後は休養が必要な期間
産後は休養が必要な期間であることを大前提として理解しておくことが大切です。
命をかけた出産を終えたのですから、ホルモンバランスだけでなく体全体が良好な状態とは言えないので、自分をいたわって休むことに専念しましょう。
また、育児や出産の疲れから、潤いが不足しがちな期間でもあります。
十分に休養できていない状態では、性行為で痛みが生じて、さらに疲労やストレスがたまってしまうこともあるため、無理せず自分のペースを保ってください。
出産後の性交痛が治らなくて不安なら婦人科クリニックへ
出産後はホルモンバランスの変化や、育児負担の疲れ・ストレスなど、出産前とはガラッと変わった状態・環境になります。
性行為の挿入に関して「これまでは問題がなかったのに!」と思っていても、出産後に変化があるのは自然なことです。
多くの場合、ホルモンバランスが安定したり、出産時の傷や骨盤の変化が治癒したりすれば、以前と同じく挿入ができるようになります。
しかし、回復の早さには個人差があるだけでなく、体の不調が長引いているなど治療が必要なケースもある点に注意しなければいけません。
「自分だけかな?」と抱え込まず、パートナーや家族など話しやすい方に相談し、痛みが長引くようなら婦人科クリニックを受診しましょう。