性交痛は、女性の多くが経験するデリケートな悩みです。

挿入時に奥の方が痛くてセックスに集中できない
奥の方が痛む原因が、病気の影響ではないかと不安だ
奥の方で感じる痛みを早く治してセックスを楽しみたい

このような悩みや不安を持っている人もいるでしょう。

膣の奥で生じる性交痛は、婦人科疾患や性感染症などが原因となっている可能性があります。

放置しておくと、痛みの原因が悪化する恐れがあるため、早めの対応が必要です。


そこで本記事では以下について解説します。

 

  • 奥の方で生じる性交痛の原因
  • 奥で痛む性交痛は早めの受診が必要な理由
  • 奥の方で生じる性交痛の改善方法

 

奥の方で生じる性交痛の原因を把握し、早期に改善したい人は参考にしてください。

膣の奥の方で生じる性交痛の原因

膣に痛みを感じる女性

膣の奥の方で生じる性交痛を改善する場合、原因を把握する必要があります。

原因として考えられるのは、以下の6つです。

・子宮内膜症
・子宮筋腫
・クラミジア性感染症
・骨盤臓器脱
・心理面の影響
・男性との相性

それぞれ解説します。

子宮内膜症

子宮内膜症は性交痛の一因であり、とくに膣の奥の痛みを引き起こす可能性があります。

子宮内膜症は、子宮の内膜組織が子宮以外の場所、たとえば卵巣や子宮周辺の器官に発生・発育する状態です。

発生した組織は、月経周期に伴って変化し、炎症や癒着を引き起こすことがあります。炎症や癒着により、組織の動きが制限されると、性交時の痛みにつながります。

子宮内膜症は性交痛以外にも、

・月経痛
・腰痛
・下腹部痛
・排便痛
・不妊

などの症状をもたらします。

子宮内膜症は性交痛の一因であり、とくに膣の奥で痛みを感じる場合には、子宮内膜症の可能性があるといえるでしょう。

子宮筋腫

子宮筋腫も、膣の奥の方で感じる性交痛を引き起こす原因です。

子宮筋腫は、子宮の筋肉層に腫瘍が形成される疾患です。悪性の腫瘍ではありませんが、日常生活に支障をきたすような症状が現れるため、早めの治療が望ましいとされています。

腫瘍が大きい場合には、子宮の形状が変化するため膣への圧迫が増加し、性交時に不快感や痛みを引き起こします。

子宮筋腫は性交痛以外にも、

・月経痛
・不正出血
・腰痛
・頻尿
・不妊や流産

などの症状があります。

子宮筋腫は、腫瘍ができた位置や大きさによって性交痛を引き起こします。症状がある場合は、適切な医療機関での診断と治療が重要です。

クラミジア性感染症

クラミジア性感染症は性病の一種で、膣の奥に痛みが生じる原因です。

クラミジア性感染症は、性病の中でも一般的で、主にセックスにより感染します。クラミジア性感染症は通常、無症状で進行するため、感染に気づかない場合が多いです。

しかし、症状が現れた場合、膣の奥や子宮頸部に炎症を引き起こし、痛みや不快感をもたらすケースがあります。

たとえば、以下のような症状です。

・性交時の痛みや不快感
・下腹部の鈍痛
・おりものの変化

また症状が慢性化すると、深刻な痛みや不妊症の原因になります。

クラミジア性感染症の多くは無症状です。しかし、膣の奥や子宮頸部に炎症を引き起こすと、下腹部痛や性交痛の原因となる場合があります。

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱は、膣の奥の痛みを引き起こす可能性があります。

骨盤臓器脱は、骨盤底筋の弱化や損傷により、膀胱や子宮、直腸などの臓器が正常な位置から下降する症状をさします。

とくに、骨盤底筋の機能が弱まっている際に膣圧をかけると発生しやすいため、力を入れる動作には注意が必要です。

骨盤臓器脱でよくみられる症状は以下のとおりです。

・性交時に感じる膣の奥の痛み
・下腹部の重だるさや圧迫感
・力を入れた際の不快感
・排尿、排便コントロール困難
・歩行時の痛み(進行した場合)

骨盤臓器脱は、骨盤底筋の機能低下により、膀胱や子宮などの臓器が下降してくる疾患です。性交痛のほかにも、重篤な症状を引き起こすおそれがあるため、早めの治療が必要といえるでしょう。

心理面の影響

過去の性的なトラウマや心理的ストレスは、膣の奥の痛みを引き起こす要因です。

過去の性的トラウマや心理的ストレスは、身体的な緊張や恐怖反応を引き起こします。緊張や恐怖は、膣の締まりに大きく関与する骨盤底筋の過剰な緊張につながり、挿入された際に痛みを引き起こす可能性があるのです。

また、セックスで恐怖や不安を感じると、痛みを予期して無意識に心理的ストレスが増加する可能性があります。そうすると、痛みと心理的ストレスの負のサイクルに陥ってしまい、自分では改善できない深刻なケースにもなりかねません。

奥の方で生じる性交痛は、身体的な疾患の影響だけではなく、心理面の問題を抱えているケースもあるのです。

パートナーとの相性

膣の奥の方で生じる性交痛は、パートナーとの相性も関連します。

性交痛は、パートナーの性交痛への理解や協力度合いによって、痛みの感じ方が大きく異なってくるからです。

パートナーとの相性には、以下のような要素が含まれます。

・前戯の方法
・男性の性器のサイズや形状
・セックスの際の動きや力の加え方

とくに、性器の大きさや動き方によって奥の方で痛みを感じるケースが多いでしょう。

膣の奥で痛む性交痛は早めの受診がおすすめ

性交痛の悩みに向き合う女医

膣の奥の方で感じる性交痛は、早めの受診がおすすめです。

奥の方が痛む場合、婦人科疾患や性感染症、骨盤臓器脱が原因となっている可能性があるからです。

これらの疾患が原因であった場合、放置しておくと症状が悪化するおそれがあります。

また、自身では判断できないほかの要因が隠れている可能性があるため、早めの受診をおすすめしています。

「性交痛で婦人科にかかるのは抵抗がある」という人は、性交痛治療を積極的におこなっているレディースクリニックや美容外科クリニックのカウンセリングを受けてみるとよいでしょう。

性交痛治療に詳しい医師であれば、あなたの症状をヒアリングしながら原因を探ってくれるからです。

当院でも性交痛治療で実績のある女性院長がカウンセリングをおこなっています。気軽にご相談ください。

膣の奥で生じる性交痛の改善方法

膣の奥で生じる性交痛の改善方法は以下のとおりです。

・疾患を特定し治療する
・カウンセリングを受ける
・パートナーに相談してみる

それぞれ解説します。

疾患を特定し治療する

膣の奥の方で生じる性交痛を改善するには、まず痛みの原因となっている疾患を特定し、治療するのが先決です。

原因疾患が治らないかぎり、性交痛が緩和されないからです。

原因疾患が進行していた場合には、日常生活に支障をきたすほか、不妊の原因にもなるため、できるだけ早期の治療が望ましいといえるでしょう。

先で解説した、性交痛の原因となりうる疾患の症状と照らし合わせ、心当たりがある場合には専門の医療機関を受診するようにしましょう。

「婦人科を受診するのは気が進まない」という方は、性交痛治療に詳しいクリニックに相談してみてください。

性交痛治療に精通しているため、あなたの症状を聞きながら正確に原因を探ってくれるでしょう。

カウンセリングを受ける

専門の医療機関でカウンセリングを受けるのも効果的です。

心理的な面が原因で性交痛を引き起こしている場合には、カウンセリングを受けることで問題への対処法やリラックス方法が見つかるからです。

また、心理的な面の影響ではなかった場合でも、話の中からほかの要因を探し出し、解決に至るケースもあります。

「まずは気軽に性交痛について相談してみたい」という方にも、カウンセリングはおすすめです。

パートナーに相談してみる

性交痛がある場合には、パートナーに相談してみるのも有効です。

パートナーとのセックスの方法で、奥の方で感じる性交痛が改善される可能性があるからです。

・時間をかけて前戯をおこなう
・挿入時またはピストン運動時はゆっくり動く
・緊張しないように部屋を暗くしてもらう

このような配慮を求めて、パートナーに相談してみるとよいでしょう。

性交痛はパートナーとの関係性にも影響する

性交痛は、放っておくとパートナーとの関係性にも影響する可能性があります。

性交痛を回避するためにセックス自体を避け、その結果セックスレスになる恐れがあるからです。

セックスが愛情表現のすべてではありませんが、パートナーとの関係性を保つ上では、ある程度のスキンシップは必要です。

性交痛が原因でセックスレスにならないためにも、早めの治療がおすすめです。

まとめ

膣の奥の方で感じる性交痛は、子宮内膜症や子宮筋腫など、疾患が影響している可能性があります。

痛みを感じているにもかかわらず放置すると、症状が悪化するだけではなく、パートナーとの関係性にも影響をおよぼしかねません。

そのため、できるだけ早期に専門の医療機関を受診して、原因を特定することをおすすめします。

当院でも、性交痛に関するカウンセリングを受け付けております。性交痛治療に詳しい女性院長が、それぞれに悩みに寄り添ったカウンセリングをおこない、改善に向けたサポートを実施します。

性交痛でお悩みの方は、まずお気軽にご相談ください。